6月最終週&7月初旬 為替市場ウィークリーレビュー+来週展望
— トランプ財政・停戦期待下のドル軟化、夏相場に浮かぶ政策リスク —
🧭 週間サマリー(6/30〜7/4)
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ドル円は144.4円前後で推移、米独立記念日のおかげで薄商いとなりつつも材料次第で上下動あり
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ドル指数は依然低迷、2025年上半期には10%超下落
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中東和平期待・米加通商交渉前進でリスク通貨に資金流入
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歴史的なドル安背景に、中央銀行は依然警戒感強く、ドルの主導力は低下傾向
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来週注目材料は米雇用統計・関税期限・夏相場ならではの薄商い
📅 日別レビュー+深掘り
🗓️ 6月30日(月)
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上半期まとめでリスク資産再評価:ドルはこの半年で10%超下落、ユーロ・円・スイスフラン・新興国通貨へ資金が移動reuters.com+1reuters.com+1
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ドル円は144.4円前後で軟調、米財政不安が圧力源に
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原油・金は上昇、デフェンストレードも継続
🗓️ 7月1日(火)
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中央銀行会議(シントラ)」でドル覇権は揺るがずとの判断。ドルは依然58%の世界準備通貨シェア維持reuters.com+6reuters.com+6reuters.com+6reuters.com+1reuters.com+1reuters.com+1en.wikipedia.org+1
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市場にはもう一段のドル下落長期観があるが、急変は起きづらいとの見方
🗓️ 7月2日(水)
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米・加通商交渉進展でリスクオン回帰:テクノロジー株上昇、アジアもポジティブ地合い
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ドル指数は安定だが低位、株高を受けて円やユーロなどが反発傾向
🗓️ 7月3日(木)
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米6月雇用統計(発表前日)待ちのムード。市場では予想+147千人の早期NFPが伝わり、ドル反発の兆しreuters.com+1forex.com+1
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ドル円は144.5円台後半まで上昇、米金利の上昇も支援
🗓️ 7月4日(金)
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米独立記念日で米市場休日、為替も閑散
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アジア時間ではドル円144.4円付近で推移、ニュース材料少なく横ばい展開
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ポジション調整中心の展開で、夏枯れ相場へ入る兆し
🌍 通貨ペア別パフォーマンス分析
通貨ペア | 水準・動向と背景 |
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USD/JPY | 144.4円前後。米財政・雇用観測に連動。薄商いで上下幅限定。 |
EUR/USD | 約1.178前後。シントラ会議や米指標に反応薄。 |
GBP/USD | 約1.312〜1.318。英政策材料乏しく、リスク通貨反応控えめ。 |
AUD/USD | 約0.650前後。米加通商進展がサポート、ただ薄商いで大きく動かず。 |
USD/CHF | 約0.794前後。ドル弱含むもスイスの安全通貨特性で底堅い。 |
🔍 ファンダメンタル深掘り
🧩 ①ドル上半期の急落とその裏側
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AMUNDIなどが指摘、ドルは年初~6月に10%超の下落。この下落は1970年代以来最大級
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補足として、米の通貨主導力は揺らぐものの、準備通貨としての支配力は継続中
↔️ ②中東仮停戦とリスク市場
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トランプ発言による停戦期待がリスクON圧力に寄与、通商材料とのシナジーも
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この流れは特にコモディティ通貨や新興国通貨への資金移転として表出
💵 ③米財政と利下げ観測の同時懸念
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トランプ政権の財政赤字懸念(3.3兆ドル支出+債務拡大)と利下げ期待がドルにダブルパンチreuters.com
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一方でFed独立性は維持されており、ドル底割れは短期的には限定的
🏦 ④中央銀行のスタンス
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Fed:利下げ姿勢だが慎重、雇用・インフレ観測次第で揺れる
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ECB/BOJ:引き締めより慎重姿勢。ECBはややタカ寄り、BOJは政策正常化未定reuters.com+9fxempire.com+9reuters.com+9
📉 テクニカル動向:USD/JPYチャート視点
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サポート:144.00円(週末終値近辺)→143.80円(50日EMA)
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レジスタンス:145.00円心理ライン→145.50円(6/30高値)
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RSI:50付近、レンジ中立の兆し
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移動平均線:50日EMAに接近。200日MA(約148円)は遠く、次ステージはクリアしにくい
-> 総じて 144.0~145.5円のレンジ継続局面。指標やプライスアクション次第で上下に振れる形。
🔮 来週展望&戦略
📅 7月7〜11日の注目材料
日付 | イベント/材料 | 注目ポイント |
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7/7(月) | 米中休戦期限、FED講演 | USD軟調基調継続か、地政学も再燃に注意 |
7/8(火) | 米非農業部門雇用統計(NFP速報) | 結果次第で一時145円突破も |
7/9(水) | トランプ関税期限 | 強硬姿勢ならリスクオフ、円高圧力 |
7/10(木) | BOE・RBA会合 | クロス円に影響、リスク資産方向性へ |
7/11(金) | G20財務相会議・米インフレ指標 | 協調的声明ならドル安圧力強化 |
💼 トレード戦略案
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レンジ戦略
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144.0円買い→145.0~145.5円で部分利確。イベント発生時に判断保留。
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イベント前ポジション軽量化
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NFP・関税期限など材料が重なり警戒。早期エントリーは控えたい。
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ブレイクアウト作戦
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上抜け145.5円→146円ターゲット。下抜け143.8円→143円台前半調整も視野に。
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分散ヘッジ
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USD/CHFなど安定通貨とのペアポジション。クロス円でリスク分散を。
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📝 総括
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ドル円は144~145円台のレンジ相場が続く見通し。上半期のドル安流れは依然として継続中。
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来週は重要イベントが密集する中、“薄商い相場”の夏枯れも注意。
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戦略はレンジ続行を前提にしつつ、イベント次第で柔軟シフトするスタンスが賢明です。
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