【2024年11月10日 為替相場レポート】
週末の為替市場まとめ:11/11週の注目ポイントと主要通貨動向
2024年11月10日(日)の為替市場は、前営業日(11月8日・金曜)の値動きの整理と、週明けに向けた様子見姿勢が強まった一日となりました。週末で市場参加者は少なめながらも、米指標や金融政策の行方を意識した動きが見られ、来週の相場展開を占ううえで参考になる場面がありました。
本レポートでは、金曜日の市場振り返りを中心に、週明け注目材料と主要10通貨ペアの動向を整理し、来週に向けた投資戦略を考察します。
1. 11月8日(金)の為替市場振り返り
金曜日は、米国の消費者センチメント指数が市場予想を下回ったことが材料視され、ドルの上値が重くなりました。米長期金利は高止まりしたものの、上昇の勢いは鈍化。これにより、ドル円は151.70円付近から151.20円まで下落し、円高圧力が強まりました。
欧州市場では、ユーロとポンドは対ドルで小幅反発しました。ユーロドルは1.1400ドル台半ばで推移、ポンドドルは1.2920ドル付近で小幅な戻りを見せました。資源国通貨は原油価格の伸び悩みを受けて頭打ち感が出る場面もありました。
全体として、前週のドル高調整や材料消化の色合いが強く、方向感の乏しい一日となりました。
2. 市場テーマと注目材料
● 米金利とドル動向
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米長期金利は高止まりするも、上昇ペースは鈍化
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ドル買いの勢いは一服し、調整局面に入る
● 米景気指標
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消費者センチメント指数が予想を下回る
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インフレ鈍化への期待が再浮上し、ドルに重し
● クロス円の動き
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株価上昇一服で利益確定売りが発生
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豪ドル円・NZドル円などは先週までの上昇分を消化
● 来週の注目イベント
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米消費者物価指数(CPI)や要人発言が控えており、相場の方向性を左右
3. 主要10通貨ペアの動向(実レート入り)
◆ ドル円(USD/JPY)
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動き:151.20円〜151.70円で推移
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背景:米金利伸び悩みとドル調整
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展望:週明けは151円台前半のサポートに注目
◆ ユーロドル(EUR/USD)
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動き:1.1400〜1.1430ドルで推移
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背景:ドル弱含みにより小幅反発
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展望:1.1450ドル台回復の可否が焦点
◆ ユーロ円(EUR/JPY)
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動き:172.80〜173.30円で推移
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背景:ドル円調整とユーロの買い戻しが相殺
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展望:173円台の維持力に注目
◆ ポンド円(GBP/JPY)
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動き:195.50〜196.10円で推移
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背景:英指標の弱さが上値を抑制
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展望:195円台前半のサポート確認が重要
◆ 豪ドル円(AUD/JPY)
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動き:102.20〜102.70円で推移
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背景:資源国通貨の上値重く、伸び悩み
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展望:102円台前半を維持できるか注目
◆ NZドル円(NZD/JPY)
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動き:87.40〜87.80円で推移
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背景:RBNZのタカ派姿勢が支え
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展望:上値追いは限定的、横ばい展開か
◆ カナダドル円(CAD/JPY)
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動き:106.10〜106.50円で推移
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背景:原油価格が頭打ちでカナダドルの伸び悩み
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展望:原油動向に左右されやすい
◆ スイスフラン円(CHF/JPY)
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動き:174.80〜175.20円で推移
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背景:リスク回避一服でスイスフラン買いの勢いは減速
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展望:175円台維持がカギ
◆ 米ドル/スイスフラン(USD/CHF)
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動き:0.9250〜0.9280フランで推移
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背景:ドルの調整局面
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展望:0.9250フラン割れには注意
◆ 米ドル/カナダドル(USD/CAD)
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動き:1.3300〜1.3350カナダドルで推移
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背景:原油上値重く、加ドルに上昇圧力
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展望:1.3350カナダドル台の攻防に注目
4. 週明け注目イベント(11/11〜11/15)
| 日程 | イベント |
|---|---|
| 11/11(月) | 米要人発言、欧州要人発言 |
| 11/12(火) | 英雇用統計、独ZEW景況感 |
| 11/13(水) | 米CPI(消費者物価指数)★ |
| 11/14(木) | 米失業保険申請件数 |
| 11/15(金) | ミシガン消費者信頼感指数 |
特に米CPIはドル円・ユーロドルの短期ボラティリティに直結するため、投資家注目度は高いです。
5. 今後の相場見通し
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ドル円:151円台前半のサポートが重要。下抜ければ調整加速の可能性。
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クロス円:利益確定売りが出やすく、レンジ中心の動きが予想される。
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ユーロ・ポンド:ドル調整により上値が伸びる場面もあるが、材料不足で頭打ち。
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資源国通貨(豪ドル・NZドル・加ドル):原油や中国関連ニュース次第で上下に振れやすい。
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安全通貨(スイスフラン):リスク回避局面では買われやすいが、積極的な買いは限定的。
■ トレードの視点
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材料待ちで週明けはレンジ中心
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イベント前後の値動きに備えたポジション調整が重要
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ドル円は下がったところは押し目買いのチャンスだが、米CPI次第で変動リスクあり
■ 総括
金曜の振り返りでは、ドル円は151円台後半から151円台前半に調整、クロス円は伸び悩みました。週末を経て、来週はイベントが多く、市場参加者は材料を慎重に消化する流れが予想されます。
特に、米CPIが週明けの相場方向性を決定づける重要指標となります。ドル・クロス円ともに短期的なボラティリティが高まる可能性があるため、リスク管理を徹底しつつ、レンジを意識した戦略が有効です。

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