【2025年10月2日為替市場レポート】米雇用指標を控えドル円は142円台後半へ下落、欧州通貨は堅調維持

2025年10月2日（木）の外国為替市場は、米経済指標の弱含みや雇用統計を控えたポジション調整を背景にドル売りが優勢となりました。ドル円は前日の143円台半ばから下落し、142円台後半で推移。ユーロやポンドなどの欧州通貨は対ドルで引き続き堅調さを示し、ユーロドルは1.14ドル台を維持しました。一方で資源国通貨は中国景気懸念や商品価格の下落を背景に上値が抑えられ、クロス円は弱含む展開となりました。

1. 市場全体の概況
2. 主要通貨ペアの動向
3. 今後の注目材料
4. まとめ

1. 市場全体の概況

2日の東京時間では、前日の米経済指標の悪化を受けてドル売りが継続しました。9月のISM製造業景況指数が市場予想を下回り、米景気減速懸念が強まったことで米長期金利は低下し、ドル円は142.60円まで下落しました。欧州市場に入るとユーロやポンドに買いが入り、ユーロドルは1.1420ドル、ポンドドルは1.2890ドル付近まで上昇。一方で豪ドルやNZドルは中国の製造業PMIの低迷を背景に弱含み、豪ドル円は92円台後半、NZドル円は86円台半ばで推移しました。

市場の最大の注目は翌3日に発表される米9月雇用統計に集まっており、その前にポジション調整の動きが強まった格好です。

2. 主要通貨ペアの動向

2.1 ドル円（USD/JPY）

現状: 142.70円付近
背景: 米ISM製造業の弱さでドル売り優勢。米長期金利の低下が重荷。
展望: 142円前半を試す可能性もあるが、米雇用統計の結果次第で143円台へ戻す展開もあり得る。

2.2 ユーロドル（EUR/USD）

現状: 1.1420ドル前後
背景: ドル安を背景にユーロは堅調。ECB理事会を控えても底堅い。
展望: 1.1450を突破すれば上昇加速も。1.14割れは当面限定的。

2.3 ユーロ円（EUR/JPY）

現状: 163.20円付近
背景: ドル円の下落に押される一方、ユーロ高が下支え。
展望: 162.50〜164.50円のレンジで推移する可能性。

2.4 ポンドドル（GBP/USD）

現状: 1.2890ドル付近
背景: BOEの利下げ見送り観測がポンドを支え。ドル安基調も追い風。
展望: 1.29ドル突破を試す展開。次の焦点は英国GDP。

2.5 ポンド円（GBP/JPY）

現状: 183.80円付近
背景: ドル円下落の影響で軟調だが、ポンド高で一定の下支え。
展望: 183円を維持できれば反発余地あり。

2.6 豪ドル円（AUD/JPY）

現状: 92.70円付近
背景: 中国景気懸念や資源価格下落で上値が重い。
展望: 92円前半を試す可能性も。RBAの政策スタンスが焦点。

2.7 NZドル円（NZD/JPY）

現状: 86.50円前後
背景: 豪ドルと同様に中国リスクで軟調。ただしRBNZのタカ派姿勢が下支え。
展望: 86円を維持できるか注目。

2.8 カナダドル円（CAD/JPY）

現状: 105.80円付近
背景: 原油価格の調整でカナダドルに売り圧力。
展望: 原油市況次第では105円割れのリスクも。

2.9 スイスフラン円（CHF/JPY）

現状: 162.50円前後
背景: 安全資産需要が根強く底堅い。ただし円買いの勢いが弱まった分、方向感は限定的。
展望: 162〜164円のレンジを想定。

2.10 ユーロポンド（EUR/GBP）

現状: 0.8850ポンド付近
背景: ユーロ・ポンドともに底堅く、方向感に乏しい。
展望: 0.88台後半を維持する可能性。

3. 今後の注目材料

米雇用統計（10月3日発表）: 最大の注目イベント。非農業部門雇用者数や平均時給の結果次第でドル円は大きく振れる可能性。
ECB理事会（翌週）: ユーロの方向性を占う重要イベント。
中国経済指標: 豪ドル・NZドルの方向性を左右する要因。
原油価格の動向: カナダドルの安定性に直結。
株式市場の動向: リスクオン・リスクオフのセンチメントがクロス円に影響。

4. まとめ

2025年10月2日の為替市場は、米ISM製造業指数の弱さを背景にドル売り優勢となり、ドル円は142円台後半まで下落しました。ユーロやポンドは対ドルで堅調さを維持し、資源国通貨は中国景気懸念を背景に上値が抑えられました。

最大の注目は翌3日の米雇用統計であり、結果次第ではドル円が142円を割り込む円高に進むか、あるいは143円台半ばへ戻すのか、市場の方向感が鮮明になる見通しです。欧州通貨は堅調基調を維持していますが、資源国通貨は依然として不安定さが残り、クロス円の動きは来週以降の市場テーマを大きく左右することになりそうです。