2025年5月第2週の為替市場では、米中貿易協議の進展や米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利据え置きが注目され、ドル円は一時146円台を記録しました。しかし、週末にかけてはドル売りが優勢となり、ドル円は145円台前半まで下落しています。
◆【1】今週の為替市場の振り返り(5月5日~9日)
▶ ドル円(USD/JPY)
今週のドル円は、米中貿易協議への期待が高まり、東京市場で一時146.19円まで上昇しました。しかし、ロンドン市場ではドル売りが優勢となり、ドル円は一時145.14円まで下落しました。明日からの米中貿易協議を控えて、いったんドル買いポジションを縮小する動きが入っている模様です。
▶ ユーロ円(EUR/JPY)
ユーロ円は、円安が進行し、163円台後半での推移が続いています。夕刻以降に円安が進んでおり、ユーロ円の上昇を支えています。
▶ 豪ドル円(AUD/JPY)
豪ドル円は、93円台前半での推移が続いています。9日の外国為替市場のオーストラリアドル・円相場は午後1時30分時点で1豪ドル=93円26銭前後と、前日午後5時時点に比べ61銭の大幅な豪ドル高・円安で推移しています。
◆【2】今週の主要な経済イベントとその影響
▶ 米連邦公開市場委員会(FOMC)
今週、FOMCは政策金利の据え置きを決定しました。パウエル議長は、金利調整を急ぐ必要はない旨を示し、慎重な姿勢を強調しました。市場はこの発言に反応し、ドル円は一時的に円安が進みました。
▶ 米中貿易協議
米中間の貿易協議が再開される見通しですが、具体的な進展は見られていません。トランプ大統領の関税政策への懸念が引き続き市場のリスク要因となっており、交渉の行方が注目されます。
◆【3】来週の注目材料と展望(5月12日~16日)
▶ 米国の経済指標
来週は、米国のインフレ指標である消費者物価指数(CPI)と小売売上高の発表が予定されています。これらの指標が予想を上回る場合、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が強まり、ドル高要因となる可能性があります。
▶ 米中貿易協議の進展
米中間の貿易協議が再開される見通しですが、具体的な進展は見られていません。トランプ大統領の関税政策への懸念が引き続き市場のリスク要因となっており、交渉の行方が注目されます。
◆【4】テクニカル分析:ドル円のサポートとレジスタンス
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サポートライン:144.00円、143.50円
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レジスタンスライン:146.00円、146.50円
ドル円は、144円付近でのサポートが意識されており、この水準を維持できるかが注目されます。一方、146円を超えると、再び146.50円台への上昇が期待されます。
◆【5】まとめと戦略
今週の為替市場は、米中貿易協議の進展やFOMCの政策金利据え置きが注目され、ドル円は一時146円台を記録しました。しかし、週末にかけてはドル売りが優勢となり、ドル円は145円台前半まで下落しています。来週は、米国の経済指標や米中貿易協議の進展がドルの動向を左右する要因となるでしょう。投資家は、これらの要因を注視しながら、柔軟な戦略を取ることが求められます。
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