2025年5月7日(水)、為替市場では、米中貿易交渉の進展への期待と、米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利据え置き予想がドルの下支え要因となっています。一方で、米国の貿易赤字拡大や株式市場の下落がドル売り圧力となり、ドル円は143円台での推移が続いています。
◆【1】前日の為替市場の振り返り(5月6日)
5月6日(火)の為替市場では、ドル円が144円28銭から143円28銭まで下落しました。欧米市場では143円36銭まで買い戻される場面もありましたが、米国株式市場の下落や米国の貿易赤字拡大がドル売り要因となり、上値の重い展開となりました。
◆【2】主要通貨ペアの動向
▶ ドル円(USD/JPY)
ドル円は、米中貿易交渉の進展への期待がドルの下支え要因となる一方で、米国の貿易赤字拡大や株式市場の下落がドル売り圧力となり、143円台での推移が続いています。 ザイFX!
▶ ユーロドル(EUR/USD)
ユーロドルは1.13ドル台で推移しています。欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が後退しており、ユーロは底堅く推移しています。また、米国の貿易赤字拡大がドル安要因となり、ユーロドルの上昇を支えています。 みんかぶ FX/為替(みんかぶFX)
▶ 豪ドル円(AUD/JPY)
豪ドル円は92円台半ばで推移しています。オーストラリアのインフレ率が高止まりしており、豪州準備銀行(RBA)の利下げ観測が後退しています。また、アジア通貨の上昇が円安要因となり、豪ドル円の上昇を支えています。 OANDA
◆【3】今後の注目材料と展望
▶ 米国の経済指標
今週は、米国のインフレ指標である消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の発表が予定されています。これらの指標が予想を上回る場合、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が強まり、ドル高要因となる可能性があります。
▶ 米中貿易交渉
米中間の貿易交渉が再開される見通しですが、具体的な進展は見られていません。トランプ大統領の関税政策への懸念が引き続き市場のリスク要因となっており、交渉の行方が注目されます。
◆【4】テクニカル分析:ドル円のサポートとレジスタンス
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サポートライン:142.00円、141.50円
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レジスタンスライン:144.50円、145.00円
ドル円は、142円付近でのサポートが意識されており、この水準を維持できるかが注目されます。一方、144.50円を超えると、再び145円台への上昇が期待されます。
◆【5】まとめと戦略
ドル円は、米中貿易交渉の進展への期待とFOMCの政策金利据え置き予想がドルの下支え要因となる一方で、米国の貿易赤字拡大や株式市場の下落がドル売り圧力となり、143円台での推移が続いています。今後の米国の経済指標や米中貿易交渉の進展がドルの動向を左右する要因となるでしょう。投資家は、これらの要因を注視しながら、柔軟な戦略を取ることが求められます。
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