📅 はじめに:CPI発表前の静かな嵐
6月12日、為替市場はまるで**「嵐の前の静けさ」。前日の米雇用統計に続き、翌日に控えた米CPIへの警戒感が市場心理を支配しました。
ドルは利下げ観測と世界的な貿易・地政学リスク**を懸念し、売られる一方、円やユーロ、ポンドといった安全通貨には買いが優勢に。
本記事では、6月12日の市場の動きをファンダメンタル面で徹底解説。投資家にとって必須の視点と戦略を盛り込みました。
▶ 米ドル急落:利下げ観測と不透明な通商環境
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FEDが今年内に利下げ開始との見通しが急浮上。特に、米5月CPIが予想を下回ったことが市場心理を冷やしました gaitame.com。
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貿易交渉の曖昧さもドルの重荷に。トランプ氏が「交渉期限延長」「具体策未定」と繰り返し表明。
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結果として、ドル指数は4月以来の安値へ急落。ドル円は143.8円レベルへ、ユーロドルは1.1525ドルまで反発しました reuters.com+1oanda.jp+1。
🔍 東京市場の流れ:ドル円143円台後半へ
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午前中、ドル円は143.95円→143.69円へと水準を下げました。144円回復も一瞬で止まり、143.7円台での小幅もみ合いが続きました 。
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トランプ氏の関税再警告もあり、リスクオフの円買い基調が鮮明化。米PPI発表前という需給調整も重なり、午前の動きは落ち着いた展開 reuters.com+7finance.yahoo.co.jp+7gaitame.com+7。
🏦 中央銀行・政策面の要点
🇺🇸 米FRB(連邦準備制度理事会)
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強い米雇用統計の後もインフレ指標が弱いことで、市場は9月にも利下げがあるとみなす方向へシフト 。
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これによりドルは「利下げショック」に敏感となり、結果としてリスク資産への見直しが進行中。
🇯🇵 日銀(BOJ)
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BOJは依然として金融正常化より市場安定を重視。利上げや介入への警戒は後退した動きだが、市場からの関心は継続。
🌍 通貨ペア別 12日マーケット動向
ペア | 状況概要 |
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USD/JPY | 143.95→143.69円。144円回復後に軟化。米利下げ観測&関税懸念で一時安値圏へ reuters.com+3oanda.jp+3oanda.jp+3 |
EUR/USD | 1.1529ドルまで上昇。ECBの慎重な利下げスタンスでユーロが優勢 |
EUR/JPY | 165.71円→165.64円。リスクオフでユーロ円は安定したもみ合い |
AUD/USD / AUD/JPY | AUD/USD 0.6484ドル、AUD/JPY 93.31円に下落。オセアニア通貨も全面安 |
GBP/JPY | 一時195円割れ、リスクオフ&英国GDP鈍化でポンド円は弱含み |
📈 テクニカル面:ドル円は”三角保ち合い”の様相
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EUR/USD・ドル円共に50日・200日移動平均など重要な指標水準が着目点。
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Economies.comではUSD/JPYは143.95で下値サポート形成中との見方 oanda.jp+5gaitame.com+5kabutan.jp+5oanda.jp+4economies.com+4economies.com+4。
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Forex24.proの指摘では、「三角保ち合い」パターンから145円突破を狙う展開も示唆 forex24.pro+1forex24.pro+1。
🧭 投資家心理と個人投資家の動き
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外為どっとコム調査では、朝方のトランプ発言で円買い→米CPI下振れ報道でドル売りが進行し、ドル円は144→143.6へと上下幅が拡大 reuters.com+10gaitame.com+10m.youtube.com+10。
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個人トレーダーの動きを見ると、”ドル売り・円買い”が主流。PPI前にポジション整理が進んでおり、中立姿勢へシフト。
🔮 今週の焦点イベント
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米PPI(生産者物価指数):CPIに先行する指標。これが予想より弱ければドル安圧力再燃。
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米中通商交渉:トランプ氏の高波動発言が重し。交渉進展があっても内容がみえない為、市場反応は慎重。
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地政学リスク:中東情勢は依然として潜在リスク。ここが悪化すると円・フランに資金集中。
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ECB政策コメント:利下げ休止の報道がユーロを支える流れが継続。
🎯 投資戦略:中立~弱ドルを視野に
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短期レンジ戦略
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USD/JPY 144.00〜144.50円のレンジ継続が見込まれ、上下のブレイクには慎重対応。
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PPI・CPIの結果次第で方向感が一気に変わる可能性あり。
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ファンダメンタル転換時
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ドル安加速ならクロス円(特にAUD/JPY、GBP/JPY)をショート利確。
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ドル復調ならUSD/JPYロング、EUR/USDショートを模索。
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リスク管理の徹底
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短期的なヘッジ(オプション購入など)を含む複合戦略も検討。
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Example:USD/JPYロング+EUR/USDショートでポートフォリオ中立化。
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✍️ 総まとめ:静かなる緊張、水面下の相場変動
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ドル売り圧力と円買い圧力が交錯:米インフレ鈍化とトランプ関税発言で流れは明示的。
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テクニカルでは143.95サポート重視、145円突破待ち。
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金融政策・地政学リスク・通信交渉が来週以降の相場鍵となる。
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戦略は慎重かつ柔軟に:イベントトリガーには流動的に対応し、ヘッジを含む資産配分を検討。
📌 最終提言
6月12日の相場は、**主要イベント(PPI・CPI・米中協議)が迫る中の”静かな嵐前”**でした。
FOMCのタカ派とドル安材料の板挟みのなか、レンジ戦略を維持しつつも、ブレイク時には柔軟に対応できる準備が重要です。
テクニカル・ファンダメンタル双方の視点で、来週へ向けた相場に備えましょう。
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