【2025年7月24日 為替市場レポート】
貿易合意による円安圧力が鮮明化:ドル底堅さ継続、ユーロ・豪ドルが追随。リスク・政策・イベント重層の一日
1.マーケット概況:円急伸から急反発へ
📉 円は取引4日続伸から一転。ドル円は一時146.01円へ反落し、その後147円台へ戻しています。これは、米日貿易合意で円安圧力が強まる中、国内の政治不透明感が下支えした模様ですReuters。
📈 ユーロは3年ぶり高値圏1.1776ドルへ上昇。米・EU間の通商合意やドル軟化の影響が波及し、欧州通貨は本日の立ち位置を固めましたReuters。
🇦🇺 **豪ドルも8カ月ぶり高値(0.6613ドル)**へ上昇し、リスク通貨としての復調が鮮明に。原油上昇や良好な企業決算も背景となっていますReuters。
2.個別10通貨ペア分析と戦術
以下は各通貨ペアの「現状・背景・注目材料・戦略」を項目別に整理したものです。
2.1 USD/JPY(ドル/円)
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水 準:一時146.01円→直後147円台回復
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背景:米日貿易合意により円売り圧力。その一方、政治的不透明感や選挙後処理の慎重感が円下落を押しとどめBloomberg.com+4Forex+4aura.co+4deriv.com+8Reuters+8FXEmpire+8。
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注目:BOJの利上げ観測、米10年債利回り、党内改革動向、日銀会合(7月末)。
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戦 略:146–150円レンジを想定。上限挑戦→順張り、下限近辺で押し目拾い。
2.2 EUR/USD(ユーロ/ドル)
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水 準:1.1768–1.1776の高位圏
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背景:米・EU間15%関税枠合意でリスク許容度やドル軟化。ECB利下げ観測は継続中AP News+2Reuters+2Reuters+2。
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注目:ECB理事会(本日)、米インフレデータ(7月末)。
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戦 略:1.165–1.18レンジ。短期戻り売り・押し目買いの双方向戦略。
2.3 EUR/JPY(ユーロ/円)
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推定水準:1.177 × 147.0 ≒ 173.1円
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背景:ドル円とユーロドルの波及で同時高。
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注目:欧州経済動向、日銀議事内容、為替介入観測。
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戦 略:170–174円レンジ。中立範囲で連動対応。
2.4 AUD/JPY(豪ドル/円)
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推定水準:0.6613 × 147.0 ≒ 97.2円
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背景:豪ドル上昇+円安。中国向け輸出や日米合意の恩恵。
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注目:中国PMI、RBA声明、原油・銅価格。
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戦 略:95–98円レンジ。押し目買い狙いが中心、有利ざや確認。
2.5 NZD/JPY(ニュージーランドドル/円)
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推定水準:0.6053 × 147.0 ≒ 89.0円
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背景:豪ドルとの連動で同様に円安圧が押し目に作用。
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注目:RBNZ政策、商品価格、国内イベント。
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戦 略:87–90円レンジ。リスク通貨の流れを見据えた買いチャンス追及。
2.6 CAD/JPY(カナダドル/円)
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推定水準:原油68.8ドル×ドル円=約107円圏
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背景:原油上昇+円安が同時作用。
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注目:OPEC声明、BoC利下げ観測、米関税リスト影響。
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戦 略:105–108円レンジ。原油で押し目買い、円が反転なら利確。
2.7 CHF/JPY(スイスフラン/円)
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推定水準:約182円
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背景:安全通貨としてのフラン需要増。円よりも堅調基調。
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注目:地政学情勢、金利スプレッド、欧州情勢。
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戦 略:179–183円レンジ。イベント反応型の利確・戻り売り戦略。
2.8 GBP/USD(ポンド/ドル)
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水準:約1.3581ドル
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注目:BoE会合、英CPI/雇用統計、EU合意影響。
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戦 略:1.34–1.36レンジ。戻り売りが基本、ブレイク注意。
2.9 GBP/JPY(ポンド/円)
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推定水準:1.3581×147.0 ≒ 199.8円
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背景:GBP/USD・USD/JPYの組合せから高水準。
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注目:上記2通貨ペアに準拠。政治動きでも敏感に推移。
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戦 略:195–200円レンジ。上限での利確、下限での押し目買い。
2.10 USD/CAD(ドル/カナダドル)
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水準:原油相場に連動しつつ約1.385前後
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背景:ドルの底堅さと原油好反応。
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注目:原油在庫、BoC議事、関税・貿易政策。
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戦 略:1.36–1.40レンジ。ドル優位なら買い、上限越えで利確。
3.マクロ・市場心理とファンダメンタル
➤ 米日貿易協定による円売り圧力
日本に対する自動車など25%→15%に引き下げ。5500億ドル投資を含む合意は、日経株の上昇とUSD/JPYの円安圧を強めましたBloomberg.com+1aura.co+1Mid ForexReuters+2金融タイムズ+2Reuters+2。
➤ 米・EU合意見通しがドル圧迫を補強
EU向けにも15%枠協議中で、ドル全面安トレンドを促進中ReutersReutersReuters。
➤ 金利・債券市場の安定支え
米10年債利回りは4.36%前後で安定、ドル圧力となりにくく通貨フローは均衡状態ReutersAP News。
➤ 夏季薄商いの継続
夏相場らしく流動性が低く、イベントにより急反応しやすい状況が続いています。日米BOJ・ECB発言には特に注意。
4.テクニカル分析と戦略指針
通貨ペア | レンジ予想 | 戦略概要 |
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USD/JPY | 146–150円 | 押し目買い主軸、150超で逆張り検討 |
EUR/USD | 1.165–1.18 | 戻り売り主体。ECB材料での逆張り考慮 |
AUD/JPY 等 | AUD:95–98円 NZD:87–90円 |
リスク通貨押し目買い型回転 |
USD/CAD | 1.36–1.40 | 原油背景に順張り&押し目買い |
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📌 特に「BOJ会合」「ECB政策発言」「日銀・財務声明」「米CPI/NFP」週内イベントに対応。
5.今後注目材料
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BOJ金融政策会合(来週予定)
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ECB理事会&ドル円へのコメント
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日米貿易枠組み補足・国内対応
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中国経済指標と鉱工業生産速報
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夏季薄商いによる誤差拡大リスク
🔍 総括
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米日合意→円は短期で急速な円安圧力が継続。政治・BOJ見通しへの解釈が鍵。
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ドルは全体的に底堅く、ユーロ・豪ドルなどもリスク通貨として上昇局面。
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商品通貨や新興国通貨の価格連動性が高まり、USD/CADやAUD/JPYに利回り機会あり。
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戦略は「レンジ回転=押し目買い&上抜け順張り」中心。利確で対応柔軟に。
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