【2025年7月8日 為替市場ファンダメンタル徹底分析】
— 米トランプ関税・人民元調整・RBA政策変更…複雑化する構図の中でドル円は?
1️⃣ 注視の主役:ドル円とトランプ関税ショック
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7月8日、トランプ米大統領が日本と韓国への“25%関税”を発表。発動日は8月1日で、適用国数は拡大の可能性reuters.com+2reuters.com+2reuters.com+2。
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これを受け、ドル円は一時146円台前半で軟化。リスクオフの円買いが急激に進行しました。
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同時にユーロ&豪ドルもドルに対して反発。人民元は一時水準維持も警戒感が高まり一時調整。
2️⃣ 中国人民元:PBOCの安定材料を背景に控える圧力
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人民元は4月以来+1.5%上昇。これはPBOC(中国人民銀行)が為替の急変動を抑えるため、スワップや介入を強化したためreuters.com+3reuters.com+3reuters.com+3。
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中国企業は米関税への備えから、外貨預金が約1兆ドルに膨らみ、スワップ取引が10%増。これにより通貨防衛の手当てが進んでいます。
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今後の懸念は、米中摩擦深化→人民元下落圧力→アジア通貨全般の連鎖的売り。ただしPBOCは積極的な株価通貨安抑制姿勢を継続の構え。
3️⃣ 米ドル動向:関税発表で一時下落、トータル構造評価は?
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関税ニュースにより、ドル円は146→145.5円へ急落。
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ただし、EUは適用除外との期待が欧州圏で買い支え材料となり、ドル全面安には至らず。
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市場の注目は「関税最終化と進展」であり、USD指数は短期混乱後に息継ぎ要因を探る展開。
4️⃣ オセアニア通貨とRBA政策
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豪ドルは逆風下でも強含み。RBA(豪準備銀行)は想定外の**利下げ見送り(3.85%据え置き)**を決定し、市場を驚かせました。
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一方で、7月8日に再度25bpの利下げ予測あり(3.60%に)。
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結果、AUD/USDは短期的に買われる一方、RBAコメントによる新たな売りサイクルも予想されます。
5️⃣ リスク通貨の総合動きとセンチメント
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円:対ドルで円買い、対ユーロ・ポンドでも同様に買われる流れ。
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ユーロ:EU除外報道とECB金融政策の転換観測から上昇基調。GBP/USDも+0.3%。
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豪ドル/ニュージードル:RBA利下げ見送り&リスクオフの揺れでプラス圧力あり。
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韓国ウォン:0.7%値戻し。日韓通貨差が一部縮小。
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ルピー:人民元の安定策とドル軟化に支援され、対ドルで0.5%ほどリバウンド推移。
6️⃣ ファンダメンタル要因別分析
🧭 A. 関税リスクと地政学的混乱
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トランプの関税措置は**“関税戦士”としてブレず**、不透明感を継続的に醸成する材料。
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ただし、市場は柔軟性も折込済との見方が主流に。EUとの交渉余地が材料転換のキー。
🏦 B. 中銀政策と金融スタンスの二分化
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PBOC:人民元の安定策強化で通貨防衛姿勢継続。
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RBA:利下げは先送りするも予想修正され、豪ドルには短期的な材
料が多層。 -
BOJ&ECB:いずれも現状維持だが、BOJの円介入観測は再燃せず軟調見通し。
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一方、ECBはノルマに従い慎重緩和余地を維持。
🇺🇸 C. ドル構造と財政懸念
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貿易・財政・中銀トリプル懸念は本質変わらず。
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ドル構造は押し目買いも受け入れにくく、中期的には売られ通貨と位置付けられる可能性大。
7️⃣ テクニカル評価:ドル円とクロス円展望
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ドル円:145.50〜146.00が当面の上層レンジ。下は145.00→144.50→143.50が順次サポート。
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ユーロ円:137.50→138.50帯が節目。EU除外期待なら139円台視野。
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AUD/JPY・NZD/JPY:RBA見送り材料で連動しやすく注意。
8️⃣ 投資戦略・アプローチ
🕒 短期(数日以内)
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ドル円ショート狙い:146円手前で売り圧力。SL=146.20、TP=145→144.50。
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ユーロ買いポジション:EUR/USD押し目買い戦略。TP=1.185。
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AUDショート:利下げ先送りの反応を見極めながら。
🕰 中期(数週間)
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ドル構造弱継続視野:ドル円142円台への調整シナリオ。EUR/USD1.20への試し。
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リスクヘッジ込み:関税・関税交渉・政策不透明要素を加味しつつオプション等活用。
9️⃣ 本日の注目トリガー
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✅ トランプ発言の続報と関税適用交渉
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✅ 人民元への追加措置や国際的評価
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✅ RBAコメントや欧州中銀の構文レビュー
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✅ 10年物米国債利回り・株・商品市場の反応
🔚 総括
本日の為替市場は、トランプ関税ショック→ドル円軟化→人民元安定→豪ドル反応という複合的なファンダメンタル変動に揺れました。構造的に見ればドル安基調は継続中。市場参加者は、短期トレードでの押し目・戻り売り戦略と中期的な構造シナリオを両睨みしながら進む時期に入りました。
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