【2025年7月8日 為替市場レポート】
交渉期待と貿易圧力が混在:ドル反発と円下落、豪ドル急騰、ユーロ伸び悩む中で政策イベントに注目
1. 市況サマリー:貿易リスクと政策期待が相反する展開
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トランプ政権の“柔軟姿勢”に市場安心感
大統領が「8月1日の関税発動は100%ではない」と発言し、日本・韓国・マレーシアなど14カ国への25%関税リスクが後退。これを受けてリスクオン期待が高まり、ドルは前日の安値圏から買い戻し、アジア株式市場も上昇傾向となりましたfxleaders.comreuters.com+4reuters.com+4reuters.com+4。 -
関税通知後、市場は冷静な対応
関税通知を受けつつも、市場は既知情報と捉え、「想定内」の反応に終始しています。EUは対象外とされ、欧州にも売買は限定的となりました。 -
オーストラリア中銀(RBA)が予想外の据え置き
市場は利下げ観測だった中、RBAは金利3.85%を維持。これを受けて豪ドルが急騰、豪ドル/円は節目の0.6545ドル台でも支持されました。
2. 主要10通貨ペアの動向分析
通貨ペア | 動きと水準(7月8日) | 背景 | 注目ポイント |
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USD/JPY | 約146.13円へ上昇 | 関税回避観測でドル買い・円売り。短期的な反動上昇局面wsj.com+7investopedia.com+7fxleaders.com+7。 | レンジ142–148円の中で反発余地。BOJ・日米交渉に注目。 | | |
EUR/USD | 約1.172–1.176のレンジ | 関税リスク一服+米ドル小動き→ユーロに買い戻し圧力。欧米間交渉の展望も加味。 | 1.1675–1.180、上抜けば1.1965へ期待。RSIやチャネルライン意識。 | | |
EUR/JPY | 約171.7円(ユーロ最高値水準) | ドル円上昇とユーロ回復の連動で上昇forex24.pro。 | “10カ国ペア”中最上値圏。171–174突破に注目。 | | |
AUD/JPY | 豪ドル/円は96円台へ急伸 | RBA据え置き→利下げ見送り→豪ドル急騰。 | 利ざや縮小観測に左右されやすく、94–98円レンジ。中国経済指標注視。 | | |
NZD/JPY | 約0.602 NZドル→ ~88円 | 豪ドル同様のリスク通貨買い。 | 86–90円レンジ注目。NZ政策発表に敏感。 |
CAD/JPY | 約106円 | 原油は微動も、ドル回復により買戻し圧力が加わる。 | 原油と政策で105–108円の動き。 |
CHF/JPY | 約150? (CHF/USD 0.798)→…円では約147円 | スイスフランはドルに対してやや軟化するも円連動が緩く小動き。 | 通常178–182円水準、注意。 |
GBP/USD | 約1.175 | ドル回復局面ながらポンドも堅調。 | 1.17–1.19レンジを維持。BoE関連に注目。 |
GBP/JPY | 約171円 | ポンド、ドル円の連動で高値圏維持。 | 195〜200円レンジ中上限狙い。 |
USD/CAD | 約1.37 | ドル反発がCADを押し戻す。 | 原油とNFP→値動きが出やすいペア。 |
3. マクロ背景・政策・心理動向
🔹 米中東交渉の進展期待
9月1日の関税発動期限延期とトランプ氏の “柔軟発言” が相場を安定化。EUとの交渉進展も期待材料に。
🔹 RBA予想外の利上げスタンス
豪ドルにとっては想定外の好材料。市場のリスク通貨への資金流入を加速させました。
🔹 ドルは一時反発だが構造は弱含み
半年で10%以上の下落は継続中。米債発行や政策不安による売り圧力が根強く、持ち直しトレンドにはならず。
🔹 夏相場の薄商いリスク
米独立記念日を経て流動性が低下。小さな材料にも相場がピリつきやすい環境にあります。
4. テクニカル分析と戦略アイデア
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USD/JPY:142–148円レンジ。現在146円台にいるが、148円トライと142円リバウンドどちらも示唆。レンジ内での押し目買い、天井では利確。
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EUR/USD:1.1675–1.180。RSIの反発サインを確認しつつ、1.180上抜けで順張り。下抜けは1.1565の支持線まで。
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AUD/JPY:94–98円。利ざや縮小懸念材料で98円上で上値重い可能性あり。利確重視。
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CAD/JPY:105–108円。原油価格と直連携。急上昇局面では半分決済判断。
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CHF/JPY:179–182円レンジ。安全通貨としてのポートフォリオヘッジで逆張り狙い。
5. 今後の注目イベント
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7/9 関税停止期限:期限後の対応が市場のリスクセンチメントを左右forex24.pro。
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RBNZ・ECB・FOMC・BOJの政策会合:7月中旬までに5大中銀会合続く。政策スタンスによってクロス円に大きな影響。
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米雇用統計・米中交渉ニュース:夏相場ながら波乱要因となり得る。
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原油価格の方向性:商品通貨中心の相場要因。
🔍 総まとめ【7月8日版】
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ドルは一時強含むも、中期的な構造弱含みは継続。
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豪ドルはRBA据え置きで急騰、注目の通貨へ。
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ユーロ・ポンドはレンジながら高値圏維持。
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円・フランは安定した動き、交渉・政策で上下トリガーあり。
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夏の流動性低下を考慮し、要人発言対策・イベントトリガーの戦略が有効。
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