【2025年8月14日 為替市場レポート】
ドル調整継続、円元気回復、金利分岐が鮮明に―中銀展望と地政学リスクが鍵
Ⅰ. 市況総観📈
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ドル指数は約97.70へ続落。市場は9月に向けての利下げ期待が強まり、特に50bpの早期利下げ予想が浮上しています。これによりドルは多通貨で下落し、対ユーロ・ポンド・円で2週間ぶりの安値圏へ推移していますReuters+1。
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米株やアジア株は上値安定も様子見モード。ドナルド・トランプ大統領とロシア・プーチン大統領の会談待ちが背景に、米株先物は控えめ。日経平均、ASX200などは強含みですAP NewsCinco Días。
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金とビットコイン急騰。ドル弱含みを背景に、金価格は上昇、ビットコインは124,480ドル超と最高値を更新し、新たな資金流入が鮮明にReuters+2Reuters+2。
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ドル円は147円台後半へ反発、円は米金利圧縮と利上げ期待で底堅い。一方、英独欧の中銀イベントが材料として浮上していますReuters+1フィナンシャル・タイムズ。
Ⅱ. 主要10通貨ペア分析
通貨ペア | 現状水準 | 背景と材料 | 今後の戦略 |
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USD/JPY | 147.76–148.00円 | ドル弱継続、円は安全通貨需要+中銀タカ派期待で安定。Bessent氏の発言を受け短期利上げ観測が円支えフィナンシャル・タイムズ。 | 147–149円レンジで押し目買い主体。BOJ声明後の上抜け次第では順張りプレイが有効。 |
EUR/USD | 1.1676–1.17 | ドル軟化でユーロが支援される一方、ECBの利下げスタンスが重石にReuters+1。 | 1.16–1.18レンジでの戻り売り中心。1.18超えは短期順張り検討可。 |
GBP/USD | 1.3504ドル | ドル軟化が支えも、英の景気データによりポンドの反応は限定的に。 | 1.34–1.36レンジで戻り売り有効。イベント後の方向性に注視。 |
AUD/USD | 0.6526ドル | RBA利下げ期待がある中、米ドル弱で支え。商品相場に反応。 | 0.64–0.66レンジで押し目買い中心。上抜け時順張り考慮。 |
USD/CAD | 約1.370前後 | ドル弱いが原油支えでCAD底堅い。 | 1.36–1.38レンジで反応。ドル上昇時のみ利確候補に。 |
CAD/JPY | 約107円 | 商品通貨として商品市況と日米金利差から底堅い。 | 105–108円レンジ。上下の材料で利確・押し目買い適用。 |
EUR/JPY | 約172.5円 | ドル円の底堅さとユーロの小高。 | 170–174円レンジ。上限到達で売り検討、ブレイクで順張り。 |
GBP/JPY | 約199円 | ポンドドルとドル円の組み合わせで高水準維持。 | 195–200円レンジ。上下で反応対応。 |
CHF/JPY | 約182円 | 金+円の安全通貨としての混合支え。 | 179–183円レンジ。地政学イベント時に利確戦術。 |
INR/USD | 87.7ルピー | インドCPI待ちの慎重な動き。 | イベント後に急反応が予想されるため、引き続き注視。 |
Ⅲ. 市況背後の論点と注目材料
1. ドル・円:利下げ観測 vs. BOJタカ派志向
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ドルは**9月19日の利下げ確率98%**へ上昇、指数は2週間安値。
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一方でTreas-Secretary Bessent氏が「BOJは遅れている」と発言し、円の利上げ期待が急浮上フィナンシャル・タイムズReuters。
→ ドル安圧がある一方、円の底堅さも維持され、レンジ内の上下動を想定。
2. 中銀ヘッドライン待ちと地政学的緊張
→ ヘッドライン後は即応ポジション整理、急伸・急落に柔軟対応がカギ。
3. 仮想通貨バブル?
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ビットコインは124kドル突破。金は上昇し、リスクオン含みの投資シフトが鮮明Reuters+2Reuters+2。
→ 高リスク資産への資金移動に着目、市場心理の先行指標として有効。
Ⅳ. テクニカル戦略とトレード体制
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USD/JPY:147–149円レンジ。押し目買い主体に、BOJ声明後順張り圧力も狙う。
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EUR/USD & GBP/USD:レンジ回転だが、材料後は順張りポイント出現。
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AUD/USD, USD/CAD, CAD/JPY:商品相場と連動した反応がトレードチャンス。
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CHF/JPY:地政学イベントで逆張り&利確の短期トレードに向く。
Ⅴ. 次週の重要イベント
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米第2弾雇用統計(8/15発表)
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Fed分科会/杭州ジャクソンホール講演(8/22-24)
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BOJ政策会見・声明(8月末予定)
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ECB声明・独仏、英国GDP・CPI指標
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ロシア・ウクライナ情勢に関する首脳協議
Ⅵ. 総まとめ
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8月14日:ドル安進行、金と仮想通貨の好調がリスクオンテーマを強化。円・スイスフランの安全通貨反応も抑制的。
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通貨ペア別ではレンジ戦術が主軸、イベント後の順張り対応が有効。
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商品・地政リスク・中銀スタンス・地合いは大きなトレード動機に。引き続き注視を。
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