【決定版】6月第4週 為替市場ウィークリーレビュー+来週展望
— 中東停戦・原油変動・ドル弱含み、夏相場に差し込む政策・地政学の影 —
🧭 週間サマリー(6/16〜6/22)
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ドル円:週初144円台→中盤146円迫る急騰 → 144円台半ばで終盤に反落
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地政学リスク:中東戦火後の進展が相場を急変、原油とリスク資産に大きな影
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米中銀材料:FRB利下げ観測強まりドル軟化、BOJ判断の遅れも影響
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グローバル資産トレンド:ドル指数3年安値圏へ、他資産に資金漂流中
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投資家心理:夏枯れ警戒とリスクオフ圧力が交錯した乱高下の1週間
🗓️ 日別同時刻のマーケット動向と解説
■ 6月16日(月):中東“武装停止”か、リスク混乱の起点に
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米空爆を受けたイスラエル・イラン関係が中東で緊迫化、 油価が急騰→安全資産の円・債券買いが起こった。
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それでも ドルは安全資産への逃避ではなく、総じて軟調。ドル円は144.16円付近で乱高下。
■ 6月17日(火):米指標ばらつき、ドルは買戻し
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米小売売上高の減速と賃金上昇が混在し、ドルは再び反発⤴。
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BOJ、日銀は金融緩和維持を示唆し円を圧迫。 ドル円は145.8円台へ跳ねる。
■ 6月18日(水):FRB声明前保ち合い
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パウエルFRB議長が「急な利下げはない」と述べてドルを支える一方、材料出尽くし感もあり145.3〜145.5円で膠着。
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原油高・中東懸念などを抱え、相場は“見極めムード”が色濃く。
■ 6月19日(木):ドル指数週間最高更新
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ドル指数は 週間で+0.9%上昇、ドル強さが際立つが総論としては重い展開。
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中東地政学とインフレ懸念(原油急騰)を映しつつ、ドル円は146円手前で張り付き。
■ 6月20日(金):中東リスクの収束とドルの調整
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イラン外相が交渉支持を示し、中東緊張は緩和。原油・リスク資産・為替ともに落ち着きを取り戻すreuters.comreuters.com+3reuters.com+3reuters.com+3。
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ドル円は146円台から145.9円まで反落。値位置は戻すものの底堅さは維持。
■ 6月21日(土):週末調整とドル堅調基調
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取引時間外ながらドル指数は高値キープ。夏相場へ向けたドルの底上げ意識が継続。
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株式は手じまい調整、再び円高リスクに備えるムードが広がる。
🌍 通貨パフォーマンスのまとめ
通貨ペア | 今週の主な動きと要因 |
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USD/JPY | 144→146→145.9。中東動静で急変動、FRB発言で強含み、週末リスク解消で一服 |
EUR/USD | 中東緊張でユーロ買い優勢→後半はドル戻しも、1.153〜1.162で推移 |
GBP/USD | 中央銀行神経戦継続、英利上げ・リスクオフ感→1.352〜1.362間で小動き |
AUD/USD | 資源資産として反応しつつも中東とドルショックで0.648〜0.657幅で動意 |
USD/CHF | スイスも安全通貨だがドルに押され0.80台で底堅さ維持 |
🔍 ファンダメンタル分析 〜ポイント整理
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中東地政学の影響
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戦闘開始時こそ円買い・原油高が一気に進んだが、その後は過剰反応の反動でドル補強。
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「原油供給余力あり→価格戻る」ことで、インフレ2次被害には懸念薄め。
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FRBタカ寄り姿勢
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パウエル声明以降、利下げ先送り観測にドル上昇圧力が継続reuters.com+15reuters.com+15theguardian.com+15。
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ドル指数は3年安値圏から調整入り傾向。
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BOJ・他中銀動向
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BOJは緩和継続、米との差は変わらず。ユーロやポンドも政策スタンス継続で動き限定。
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金融市場の薄商いリスク
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夏枯れと相まってボラティリティとの格闘を強いられる夏相場。
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📊 テクニカル概況(GMMA, RSI, 移動平均など)
水準 | 水平線 | 解説 |
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サポート | 145.00円 | 明確な心理ライン。週5回下げとは異なり、支え強い |
144.30円 | 50日MAおよび週安値帯。これを割ると調整加速懸念 | |
レジスタンス | 146.00円 | 直近高値圏。突破なら146.5円へ向かう可能性大 |
146.50−147.00円 | 200日MA接近エリア、突破は7月相場の鍵 | |
RSI | 約60〜70(過熱注意圏) | 強すぎず急落もなく…だが過熱サイン |
MACD | ゼロ近辺で上向き継続 | 強いが滑りやすいレンジ相場化の兆し |
🔮 来週の注目ポイントと戦略
1. 6/24 BOE政策発表
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ポンド円・EUR/GBPの動きとクロス円余波に注目。BOEが利下げ示唆の場合、リスクオフでポンド軟調。
2. 6/25 米PCEコア・雇用統計
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FRBの金融政策に直結。市場予想より強ければドル再加速、低ければドル下落圧力。
3. 中東緊張の“第二波”リスク
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交渉加速orエスカレートで相場変身。原油と円の動きが鍵。
4. 夏相場の流動性低下と急変リスク
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オプション需給や投機買いの過熱蓄積は逆回転でリスクへ。
💡 トレード戦略構成
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145.0〜146.0円レンジ継続型トレード
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145でロング、146で部分利確。レンジ内反射狙い。
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ブレイクアウト狙い
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上抜け146突破時:追随ロング、目標147.0〜147.5円
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下抜け144.3以下:ショート戦略、目安143.5円
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イベント時ポジション調整
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夏枯れ+PCEでレンジ外動意も。イベント前はポジション軽めに管理。
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分散ヘッジ戦略
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USD/CHF + XAU/USD(ゴールド)
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クロス円(AUD, GBP)ショート→ドル円ショートなどの連携
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📝 総まとめ
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地政学的材料と中銀神経戦が交錯する背景で、ドル円は145〜146円でのレンジ相場入り
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注目は7月以降:米指標&中銀決定権→ドルの中長期トレンドが見えてくる
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投資家は夏相場の薄商いや変動急騰に備え、戦略設計と資金調整を強化すべき
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