2025年8月28日 為替市場レポート 米金利上昇を背景にドル高継続、ドル円は145円手前まで上昇

Uncategorized

2025年8月28日 為替市場レポート

米金利上昇を背景にドル高継続、ドル円は145円手前まで上昇


1. 市場全体の振り返り

2025年8月28日の為替市場は、米国債利回りの上昇とそれに伴うドル買いが一日を通して優勢となりました。前日に続いて米国の景気底堅さを示す指標が相次ぎ、FRBが利下げを急がないとの見方が強まったことが背景です。

ドル円は144円台後半まで上昇し、心理的節目となる145円を目前に控える展開となりました。米10年債利回りは4.25%台まで上昇、これがドル円の強い支援材料となりました。

一方、ユーロは依然として弱含み。ユーロ圏景況感指数が予想を下回ったことに加え、ECB関係者の「追加利下げの余地」に関する発言が相場を圧迫しました。ユーロドルは1.08ドル割れを試す場面が増え、底値模索が続いています。

ポンドは比較的堅調。英国の小売売上高が市場予想を上回り、消費の底堅さが評価されました。資源国通貨は、依然として中国経済の不透明感に左右される展開が続きましたが、豪ドル・NZドルは小幅ながらも下げ止まりを見せています。


2. 主要通貨ペアの動向

2.1 ドル円(USD/JPY)

現状:144.85円前後。
背景:米経済指標が底堅く、米長期金利が4.25%まで上昇したことで、ドル買いが加速。前日は144.20円付近で推移していましたが、28日はじり高の展開となりました。
展望:145円を突破できるかどうかが最大の焦点。突破すれば146円方向が視野に入りますが、利益確定の売りや当局の口先介入の可能性もあり、慎重な値動きが続くでしょう。

2.2 ユーロドル(EUR/USD)

現状:1.0790ドル付近。
背景:ユーロ圏景況感指数が市場予想を下回り、域内景気の低迷懸念が強まりました。さらにECB関係者が「追加利下げは排除できない」と発言し、ユーロ売りを助長。
展望:1.0780ドルを割り込むと1.07ドル台半ばがターゲット。反発局面では1.0850ドル付近が上値抵抗となりそうです。

2.3 ユーロ円(EUR/JPY)

現状:156.20円前後。
背景:ドル円の上昇に支えられ、ユーロ円は小幅反発。ただしユーロ自体が対ドルで弱いことから、上値追いには至っていません。
展望:156円を維持できるかどうかがポイント。割り込むと155円台半ばへ下落する可能性も。

2.4 ポンドドル(GBP/USD)

現状:1.2860ドル付近。
背景:英国小売売上高が市場予想を上回り、消費の底堅さが意識されました。BOEの利下げ観測は残るものの、ポンドは相対的に底堅い動き。
展望:1.28ドルをサポートにしながら、1.29ドル方向を試す展開。ただし米金利上昇によるドル買い圧力が強まれば、1.28ドル割れのリスクも。

2.5 ポンド円(GBP/JPY)

現状:186.30円前後。
背景:ドル円上昇を背景にポンド円も買い優勢。185円台後半を下値に、186円台を維持しました。
展望:186円を上抜けると187円方向への上昇余地。ただし上昇が急速な場合は短期的な調整に注意。

2.6 豪ドル円(AUD/JPY)

現状:93.00円付近。
背景:中国当局が追加的なインフラ投資策を発表したとの報道を受け、豪ドルは小幅に反発。ただし市場の反応は限定的で、本格的な回復には至っていません。
展望:92.80円を下値に、93円台で持ち合う可能性。中国経済指標が次の材料となるでしょう。

2.7 NZドル円(NZD/JPY)

現状:87.30円前後。
背景:豪ドルと同様に、中国関連のニュースが下支え要因。NZ国内要因は乏しく、豪ドルに連動する形でじり高。
展望:87円を維持すれば再び88円方向への戻りを試す可能性。

2.8 カナダドル円(CAD/JPY)

現状:107.30円前後。
背景:原油価格が一時的に反発し、カナダドルを支援。ドル円上昇も追い風となり、107円台を回復しました。
展望:107円を維持できれば上昇トレンド継続。ただし原油相場次第で上下の振れ幅が大きくなる可能性。

2.9 スイスフラン円(CHF/JPY)

現状:177.50円前後。
背景:リスク回避需要が限定的となる中、方向感は乏しいものの、円安圧力に支えられて高止まり。
展望:177円を下値に、178円を試す展開。

2.10 ユーロポンド(EUR/GBP)

現状:0.8400ポンド前後。
背景:ユーロ安・ポンド堅調の流れが鮮明。ユーロポンドは0.84割れを意識する展開。
展望:0.84を割り込むと0.8350付近までの下落余地。反発局面では0.8450が重い抵抗帯。


3. 今後の注目材料

  1. 米PCE物価指数(8月30日発表予定)

    • FRBの金融政策判断に直結。市場はコアPCEが前年比2.5%を下回るかどうかに注目。強ければドル高継続、弱ければドル反落要因となる。

  2. ECBメンバーの発言

    • ユーロ圏景気減速が鮮明な中、追加利下げを示唆する発言が続けばユーロ売りが強まる可能性。

  3. 中国の追加景気刺激策

    • 豪ドル・NZドルの動向に直結。規模が大きければ資源国通貨に買い戻しが入る可能性。

  4. 原油相場

    • カナダドルの方向性に大きな影響。OPECの減産や米国在庫統計が材料視される。


4. まとめ

2025年8月28日の為替市場は、米金利上昇を背景にドル買いが優勢となり、ドル円は145円目前まで上昇しました。ユーロは依然として下落基調を抜け出せず、1.08ドル割れを意識する展開。ポンドは小売売上高の好結果を背景に底堅く、資源国通貨は中国関連ニュースを受けて小幅に下げ止まりました。

今後の最大の注目は米PCE物価指数。インフレが予想以上に強ければFRBの利下げ観測が後退し、ドル円は145円を突破して146円方向へ向かう可能性があります。一方、弱い数値となれば143円台への反落リスクもあり、ボラティリティの高い展開が続きそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました